GMは歴史的とも言える「勝利」を納めた、従業員割引価格を一般消費者に提供、というインセンティブプログラムを終了した。しかしインセンティブ競争はこれで一段落したわけではなく、GMでは新たに「トータル・バリュー・プロミス」と呼ばれるインセンティブを開始した。
これは秋からの2006年モデル紹介に際して、価格を抑え、保証を改善し、スタンダードとしてオプションを増やす、などを50以上のモデルに適用する、というもの。GMの全76モデルのうち、価格が変更されたのは30モデルに及ぶ。
例えばサターン『アイオン』は2455ドル価格が下げられ、ライバルであるホンダ『シビック』と比べるとベースで1335ドルもの差がつく値打ち感。またシボレー『マリブ』の場合は1835ドル値下げとなり、トヨタ『カムリ』より2600ドルも安くなる。
保証の改善は2006年モデルのハマー全モデルとビュイックに適用され、4年/5万マイルの保証となる。
また、スタンダード装備の追加も多くのモデルに行われている。例えばビュイックには1年間のオンスター無料サービス、リアパーキングアシスト、盗難防止システムなどが標準装備となる。これだけでも1500ドル分の実勢的な値引きである。
この業界をリードする値引きで、GMが2006年モデルでも続伸となるのか、同じく従業員価格割引を実施したフォードやクライスラーの追い上げはあるのか、秋のアメリカ新車商戦は熱くなりそうだ。