【ITS EXPO】視察体験ツアー…DSRC 決済できる駐車場

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ITS EXPOに合わせて7月12日/13日に愛知県で開催されたITS視察・体験ツアー。昨年のITS世界会議で披露されたショウケースをさらに一歩進めた最先端のITSを体感できた。

ETCの通信で使われているDSRC(狭域無線通信)を利用した駐車場は、各地の民間駐車場で導入が始まっているが、いずれも出入庫管理のみに使われているだけで、当初から期待されていた決済機能はまだ与えられていない。

これは、DSRC決済ができるのは日本道路公団や首都高速道路公団などの一部に限られており、民間企業にまで開放されていないためだ。

ITS EXPOに合わせ、DSRCで決済できる駐車場の実験が披露された。場所は名古屋市中区の下広井駐車場。近い将来の規制緩和を見越して、日本自動車研究所(JARI)、住友商事、松下電器や三菱電機およびカード会社などが共同で開発したシステムだ。

通信方式はETCと同じだが、今回の実験で利用する車両端末はDSRC決済だけの機能しか持たせていないという。じつは今回使用する端末でもETCで使えるのだが、誤作動などを考慮して、あえてその機能は殺しているのだという。カードはETCカードではなく、ICクレジットカードを使用する。

この日はあいにくの雨。だが、デモ車両は窓を開けることなく、料金をクレジットで支払い、駐車場を出た。退出時はクレジットカードの認証をするため、ETCのようにノンストップでの通過はできず、バーの前で停車せねばならない。とは言っても待つのはほんの2、3秒だ。

ある開発スタッフによれば、DSRCによる決済は「1年以内に可能になる」という。市販段階ではETC機能も併せ持つことになりそうだ。

また「このシステムの導入にかかる駐車場事業者側のイニシャルコストは500万円程度」ということで、導入できるのは比較的規模の大きな駐車場に限定されるだろう。

だがスタッフは「現金を扱わずに済むため、集金に伴う人件費を削減でき、近年多発している料金支払機の破壊盗難を防ぐことができる。また売上げを明確化できるなど、事業者側のメリットも多いのでは」とも語る。

運用開始から約5年、高速道路の料金支払いだけに限定されてきたETCだが、さまざまな決済機能を付与されて、いよいよ次の段階へ移行する。

《ITS DAYS》

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