国土交通省・東北運輸局は23日、山交バスが運行する路線高速バスが進路を誤って進行。正規のルートに戻るために降りようとしたインターチェンジ(IC)の出口車線も誤って通過し、約100mに渡って本線上をバックする逆走トラブルが起きていたことを明らかにした。
運転手が激しい歯痛で注意散漫になっていたことが主な原因とみられている。
国土交通省・東北運輸局によると、逆走トラブルが発生したのは21日の午後。
山交バスが運行する路線高速バス(仙台発、山形行き)が東北自動車道上り線を走行していた午後4時ごろ、山形自動車道の分岐点である村田ジャンクション(JCT)を誤って通過。そのまま東京方面に向かって走行した。
48歳の男性運転手はすぐにこのミスに気がつき、村田JCTから約2.7km先にある村田ICで一旦高速を降りてUターンしようと考えた。だが、村田ICでも出口車線に入るタイミングが遅れて通過。約100m先の路肩で停車した。
バスはハザードランプを点灯させながら、ゆっくりとしたスピードで本線上をバック。約5分を掛けて出口車線まで戻り、村田ICから下り線に入り直し、目的地の山形に向かったという。山形には定刻よりも15分遅れで到着している。
運転手は車内放送で乗客に謝罪。帰着後、会社に経緯を報告したが、逆走に至った理由はなんと「激しい歯痛」だったという。
当日の朝から激しい痛みを感じ、「痛みに気を取られて注意散漫になる中でJCTやICを通過するミスを犯してしまった」と報告している。この運転手、勤続25年のベテランだという。
東北運輸局では事態を重く見て、24日午前からこの運転手の所属する山交バス仙台営業所に対しての立ち入り監査を実施している。