【上海モーターショー05】ブーレイ顔も健在! …台湾発の三菱車

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【上海モーターショー05】ブーレイ顔も健在! …台湾発の三菱車
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日本市場では消滅してしまった三菱自動車『ギャラン』だが、海外市場ではいまだ健在。中国市場にも参入を予定しているが、残念なことにこれは三菱自身のデザインではない。

三菱ブースに置かれたギャランだが、これは台湾の中華汽車(チャイナモーター)が三菱ブランドとして製造・販売しているもの。メカニズムと基本的なデザインは三菱自動車が北米で生産しているギャランと同一だが、フロント部は中華汽車のデザイナーによって独自にリデザインされている。

日本では早々に捨てられてしまった「ブーレイ顔」をギャランに与えたことについて、「この造形は三菱のエンブレムの収まりもいいし、存在感も出せる」と説明するのは中華汽車のデザイン・ディレクター、カルビン・チェン。北米仕様のデザインは立体感こそあるもののグリルの存在感が小さく、台湾市場の嗜好にあわせてリデザインしたという。

中華汽車のラインナップは三菱とのパートナーシップによるもので、台湾版ギャランの開発も三菱自動車デザイン部が密接に関わって進められた。しかしチェン氏は「なぜ三菱は、いちど決めたブランドデザインを簡単に捨てられるのか?」と三菱自動車のデザイン戦略について疑問を呈している。

たしかに前デザイン本部長オリビエ・ブーレイ氏が作り出した「ブーレイ顔」は、そのアクの強さが日本の消費者に敬遠されていたという事実もないではない。しかし大々的に「三菱車の顔」としてPRしていながら、デザインリーダーが変わった途端にあっさりと撤回するようでは、消費者の理解や共感、信頼を得ることはけっしてできないだろう。

事実、日本市場で「ブーレイ顔」からプレーンな(しかし存在感もない)グリルに改めたところ「デザインがよくなった」と好感されて三菱車の販売が急回復した、という話は聞いたことがない。

筆者には「アクの強いデザインをやめたい社内の保守派によって、不祥事による販売不振のスケープゴートにされた」としか思えないのだ。台湾版ギャランを見て、外部のデザイナーのほうが三菱自動車の経営陣よりも「三菱車のデザイン」を真摯に考えている、と感じた。

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