上海汽車集団のブースに『主席』というネームプレートを付けたクルマがあった。韓国・双龍(サンヨン)自動車の『チェアマン』である。まさにそのままの名称だが、言葉の響きはなかなかいい。外資系自動車メーカーが中国で商品を売るときは、母国での車名の「発音」を重視してそのまま漢字を「当て字」するか、あるいは母国での車名の「意味」を感じ表記にするか、ふたとおりある。日産『サニー』は、その意味を取って中国では『陽光』を名乗り、VW『ジェッタ』はその発音に縁起のいい漢字を当てて『捷達』を名乗る。「主席」は前者のネーミングだ。双龍自動車はもともと韓国の財閥系メーカーだった。それが大宇(デーウ)グループに買収され、しかしその大宇も経営破綻したことで銀行管理となっていた。ことし1月に上海汽車集団が約49%を出資して最大株主となり、中国の自動車メーカ−として初めての外資買収として話題になった。主席は現在でも韓国内で生産されている。いっぽう『雷斯特』(レクストン)は双龍の主力SUVだ。ちなみに、この主席がメルセデスベンツに何となく似ている理由は、かつて双龍自動車がダイムラーベンツ(当時)と提携していた時代の名残。もちろん「似たようなデザインのクルマを作る」ことは契約に入っておらず、勝手に双龍がチェアマンを生産開始したときにはダイムラーベンツが不快感を表したといういきさつがある。
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