4月14日、トヨタ自動車がテレマティクスサービスを一新。『G-BOOK ALPHA』を発表した。G-BOOK ALPHAでは新たに渋滞予測・回避システム「Gルート」が搭載される。
渋滞予測システムについては、本田技研工業の「インターナビ」が先鞭をつけ、その後、日産自動車「カーウイングス」も対応。パイオニアの「カロッツェリア サイバーナビ」など市販カーナビにも広がっているが、トヨタもG-BOOK ALPHAでこの分野に参入することになる。
G-BOOK ALPHAが採用する渋滞予測テクノロジーは「3レンジ複合予測方式」と呼ばれ、トヨタ中央研究所で開発された独自のもの。
同社は2001年からVICS渋滞情報の取得・解析を行い、さらに独自に調査車両による実測を実施。それらの基礎データをもとに渋滞予測アルゴリズムを完成させたという。
Gルートではルート検索時にセンター側で渋滞予測が加味されるほか、ユーザーの操作で指定したエリアの「90分後」までの渋滞発生状況をシミュレーション表示させることも可能だ。
また、他社にない機能として、高速道路のサービスエリアで休憩を取った場合(30分/60分)、高速道路の目的出口までの所用時間を渋滞予測をもとにシミュレーションする機能もある。
なお、ホンダのインターナビが採用する走行中のユーザー車両から渋滞情報を集める「フローティングカー/プローブカーシステム」の搭載は、今回、見送られている。
Gルートの渋滞予測システムはセンター側で処理される方式だが、DCM装着車ならば通信料は定額だ。
「渋滞予測を利用中は分岐点などの直前でもセンターに問い合わせて、最も新しい渋滞予測情報で適切なルート案内をする。これを携帯電話接続の回線交換(ダイアルアップ)でやろうとするとお客様のコスト負担が大きい。しかし内蔵DCMを通信で使えば、お客様の負担は毎月のG-BOOK ALPHA使用料だけで通信費は定額です」(e-TOYOTA部の友山茂樹部長)
コストを気にせず、刻々と変化する渋滞予測情報を受信しながら利用できるのは、ドライバーにとって嬉しいポイント。新型DCMはカーナビ機能の向上でも役立っている。