通常、新型車が発売されると、その新型車のカタログや資料には初採用のエンジンや、新システムといった謳い文句が並ぶことが多い。
だが日産から20日に発売された新型コンパクトカー『ノート』には、そういったアピールポイントがあまり見られない。
ノートの開発責任者である、日産自動車商品企画本部チーフ・プロダクト・スペシャリスト 加藤顕央さんは「確かにノートには、何十種類のシートアレンジや、初めて採用されるシステムといった、“飛び道具”はありません。ですが、日常的使う上での、使い勝手には、充分こだわって開発を進めました」
「エンジンは扱いやすさと、いざというときの加速力を重視して余裕のある1.5リッターを採用しています。そしてリヤシートの大きさや、クッションの厚さも、たっぷりとしたサイズに設定しています。シートアレンジのパターンは必要最小限にとどめていますが、その結果優れたリヤシートの居住性と、座り心地を実現しているのです」
「確かに多彩なシートアレンジはセールスポイントになりますが、たまにしか使わないシートアレンジを設定することによって、シートが薄くなったりサイズが小さくなることを避けたかったんです。それよりも、普段使うリヤシートの居住性を大切にしたかったんです」と語る。