車名の最初に“R”が与えられたすべてのモデルは、水平対向(ボクサー)2気筒エンジンを搭載する。つまり『R1200C Montauk』の場合でいえば、排気量1200ccのボクサーとなるわけだ。
余談になるが、バイクの場合は大排気量化が世界的なトレンド。もちろんこれには、キャタライザー(3元触媒)装着によるパワーダウンを補うためという名目もある。が、しかし、10年以上も前からキャタライザーを標準装備しているBMWにとっては、意のままに走るために導き出された排気量といえるだろう。
どことなくクラシカルな雰囲気を漂わすスタイルに、アメリカンバイクを思い浮かべてしまうかもしれない。それもそのはず、このベースモデルとなっているR1200Cは、アメリカ市場をメインに開発されているからだ。
クッション性の高いシートにドカンと腰をおろし、ほぼ直立に近くなる上体から手を伸ばしたところあるハンドルを握る。ステップの位置も比較的前方にあることも手伝って、とてもリラックスしたポジションとなる。ハーレーを意識したのでは、という見方もあるが、実際はそうじゃない。
「クルーザーという形態をBMW流に提案したのがR1200C」(BMW2輪商品企画・武藤昇さん)というように、見た目こそアメリカンバイクに近いものがあるが、乗り味はやはりBMW。バイク任せでリラックスできるハーレーとは違い、自らがコントロールすることをバイクに訴えかけることで、より安定した走りを披露するR1200C Montauk 。BMWの哲学が貫かれた一台といえる。