【ITS世界会議名古屋】ナビが速度制御…実現は難しい?

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トヨタショーケースで紹介された開発中の技術のうち、興味深かったのが、カーナビを応用した「ナビ協調安全運転支援システム」という技術だ。一見すぐにも実現しそうな技術なのだが、実はそのハードルは非常に高いという。

これはナビの地図データに道路規制情報を盛り込み、一時停止標識が設置された地点でドライバーが減速操作を怠った場合、警報を鳴動させながらブレーキを自動的に操作し、路面の停止線位置までに完全停車させることや、学校周辺のスクールゾーンでブレーキ操作を行い、強制的に減速させたり、アクセルを踏んでも一定の速度以上に上がらなくするキャンセラーを連動させている。

いわば「かなり世話焼き」なナビ。交通ルールを遵守することで安全に寄与することは間違いないが、その反面でドライバーの意思をかなり拘束してしまうシステムともいえる。

基本的には現在のカーナビの延長上にあるシステムなのだが、実現までの道のりはかなり険しい。速度制御を行うため、これを装着するクルマにはブレーキをコントロールする「ブレーキECU」を搭載することが前提となるが、現状でブレーキECUを備えているのは高級車に限られている。

また、道路の規制情報は各都道府県警察が管理しており、これの提供を受けるという段階には至っていないことも大きい。

さらには「停止線位置までに完全制動を実施する」としているが、道路によって停止線の位置は異なっており、これを地図データの一部として正確に有していなくてはならない。と、同時にナビとしての測位精度も現状よりも高めなくてはならず、この部分でも技術を発展させることが必要だ。

《石田真一》

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