アメリカのLクラスセダンは、かつては全土に広がる未舗装の道路を走行することを考慮して、サスペンションの構造を故障しにくい簡単なものに、またセッティングはストローク幅を大きく取って徹底的に柔らかくというのが普通だった。
しかし12日発表のキャデラック『STS』はそのような過去のアメリカンセダンの伝統とは完全に訣別した。STSのサスペンションは前:上下不等長アーム式ダブルウィッシュボーン、後:マルチリンク式。
ストロークの大きさよりロードホールディング、舗装路での乗り心地の良さを追求しており、アメリカのクルマ作りが転換期を迎えていることを感じさせる。アームには、ばね下重量の軽減のためにアルミ製パーツが多用されている。