アメリカではビッグ3が9月の新車販売を前年比5.6%増とし、特にGMでは2ケタの販売台数増を記録した。夏の新車販売が不調だっただけに、これはメーカーにとっては嬉しい数字だ。
しかし、その一方、ビッグ3によるインセンティブも史上最高となっている。9月のインセンティブは、全モデルの平均で5287ドルに達している。
特にインセンティブの額が大きいのはトラック、SUVで、トラックは平均21.7%、SUVは17.9%、定価より安く販売されている。乗用車の割引率は14.8%。「今やディーラーでつけられている定価には何の意味もない」という分析もあり、ユーザー側も大幅な値引きが当たり前、という感覚だ。
メーカーにとってはドル箱であるライトトラック系の販売が伸び悩み、インセンティブが増しているのが悩みのタネとなっている。インセンティブは今後クリスマスシーズンに向けてさらに増大しそうで、売り上げ増にも関わらずメーカーの利益は圧迫されている。