●お手本のない「外−外」展開
張社長がIMVを「将来の成長に欠くことのできない重要プロジェクト」として、その成功を04年度の最重点課題のひとつに掲げたのも当然だ。
豊田専務がタイで強調したように、IMVはトヨタの海外事業展開が、新たなステージに入ったことも意味する。海外担当の石坂芳男副社長は「日本に元車(もとしゃ)がない初めてのプロジェクト」ともいう。
つまり、日本で生産しないために“お手本”はなく、しかも、アジア、アフリカ、南米といったこの車の生産地域だけでなく中欧・東欧を中心とした欧州、さらに中東などにも輸出する「外−外」の展開となるのだ。
部品調達でもASEAN(東南アジア諸国連合)域内の関税優遇措置などを生かして補完、域内の現地調達率は100%を目指す。タイで生産がスタートしたハイラックスは、当初から96%程度の現調率を確保している。機種によっては従来の類似モデルより3割程度のコスト低減を図る。