国土交通省・北陸信越運輸局は7月30日、中央自動車道での逆走トラブルを起こした松本電鉄バスに対し、立ち入り監査を実施した。会社側は乗務していた運転手に対して出勤停止1カ月と、1年間の高速バス乗務禁止をすでに命じている。
松本電鉄が同局に連絡した内容によると、問題のトラブルは7月11日に発生している。
同日の午後2時10分ごろ、松本電鉄バスが運行する松本発飯田行きの路線高速バスが、長野県高森町内の中央自動車道下り線にある高森バス停の直前まで来た際、このバス停で降りようとした乗客が降車ボタンを押した。
しかし、このバスは追越車線を走っており、さらにはバス停への分離レーンまでわずか数百メートルの位置に迫っていた。45歳の運転手はレーンの途中から入り、バス停に停車しようとしたが減速が間に合わず、バス停から約300m、本線に合流して50mの位置でようやく停止した。
運転手はハザードランプを灯してレーンへのバックを行い、約3分後に乗客を降車させている。
運転手はこの事態を深刻視せず、会社への報告も行っていなかったが、別の乗客が7月28日に発覚した信南交通バスの逆走トラブルを報じるニュースを見て、松本電鉄側に通報。同社が運転手への聞き取りを行うとともに、トラブルの発生を北陸信越運輸局に報告していた。
運輸局による立ち入り監査は7月30日午前から行われ、松本電鉄側は運転手の勤務状況や、管理について説明したという。