逆走バス運転手が乗客に苦言…降車ボタンを押すタイミング

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国土交通省・北陸信越運輸局は28日、信南交通の路線高速バスが今月16日、長野県松川町内の中央自動車道で誤ってバス停を通過、本線からバス停までの約100mをバックして戻る「逆走トラブル」が起きていたことを明らかにした。

運転手は会社に事実を報告しておらず、後日に乗客から寄せられたクレームによって発覚した。

国土交通省・北陸信越運輸局、信南交通によると、逆走トラブルを起こしたのは同社が運行し、中央自動車道を使って新宿−飯田間を結ぶ路線高速バス。

信南交通側の説明によると、トラブルは今月16日深夜に発生している。午後11時ごろ、新宿から飯田に向かっていた路線高速バスの運転手が松川インターチェンジ(IC)バス停に差し掛かった際、乗客が降車ボタンを押した際に点灯するランプが表示されていることに気づいた。

しかし、すでにバスはバス停連絡路に向かう分岐の手前に接近しており、運転手は「急ブレーキを掛けるしかなく、安全に停止できない」と判断。そのまま通り過ぎ、連絡路と本線の合流点付近までバスを進めた。

そして約100mの区間をハザードランプを点灯させながらバックで走行。連絡路を逆走する形でバス停まで戻った。

運転手は乗客に対して「急ブレーキを掛ける必要があり、安全上やむなく通り過ぎた」と説明。降車する乗客2人に対しては「あまり早い段階でボタンを押されても困る」などと注意した。

運転手はこの事態を会社には報告しなかったが、翌17日に乗客から「いつものようにボタンを押しただけなのに運転手から文句を言われた」、「後続車が走り抜ける中でのバックに恐怖を感じた」などのクレームが寄せられ、事態が発覚。

同社が運転手に対して聴取を行い、これらが事実だということを確認している。

同社は運転手への聴取が終わった今月20日、国土交通省と長野県警に対してトラブル発生を報告。これを受けて27日に北陸信越運輸局が立ち入り調査を行っていた。

また、同社は立ち入り調査後に「降車ランプを見落としたのは運転手のミスでお客様に非はなく、運転手が注意したのは誤りだった。同様のトラブルが発生しないよう、再発防止に努めるとともに、当該の運転手に対しては何らかの処分を行う」とコメントしている。

《石田真一》

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