マツダ『ベリーサ』(28日発表・発売)の生産は『デミオ』とおなじライン設備で行なうことができる、いわば姉妹車であり、同じ5ドアハッチバック。では2車の間には、どのような差異が設けられているのだろうか?
「デミオはひとことで言えば“グローバル”で“カジュアル”、つまりなんでもできるというのが魅力ですが、ベリーサでは使い勝手を絞り込みました」と語るのはデザイン戦略スタジオの栗栖邦彦チーフデザイナー。「機能は限定されているが、それをスマートに使ってほしい」と説明する。
つまり、何気なく気楽に使えるのがデミオ、自分を演出できる(しなければならない)のがベリーサということだ。もちろんそのための車両側のサポートは惜しんでいないという自負があるからこその発言だろう。
シート座面のフレームはデミオではなく、『アテンザ』のものが奢られている。スマートキーも無骨なものではなく、ちょっと厚めのクレジットカードといった雰囲気にデザインされているなど、設計上でも「上質感」が訴求されている。
栗栖チーフデザイナーは「2人で乗って絵になるコンパクトカー」で、シックでモダン、ハイクオリティという、これまでになかったコンパクトカーの価値を提示するのがベリーサだという。
となると、販売上はさておき、デザイン上のライバルはランチア『イプシロン』あたりなのかもしれない。