車外放出の事故被害者、5kmも移動?

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5月31日夜、千葉県大栄町内の東関東自動車道で乗用車が中央分離帯のガードレールに激突し、大破した。乗車していた4人のうち、3人までが車外に放出され、このうち1人は事故現場から5kmほど離れた本線上で遺体として発見されている。

千葉県警・高速隊によると、事故が起きたのは5月31日の午後8時25分ごろ。大栄町吉岡付近の東関東自動車道上り線を走っていたクルマのドライバーから「乗用車が事故を起こして大破している」との通報が寄せられた。

同隊のパトカーが現場に急行すると、路側帯には大破したクルマが止まっており、車外放出されたと思われる7歳の男児が路上に倒れており、運転席には38歳の女性が車体に足を挟まれて気を失っているのが発見された。男児は全身を強く打って間もなく死亡。女性は両足骨折の重傷を負った。

その後、事故現場から5kmほど離れた成田インターチェンジ(IC)近くの路側帯に11歳の男児が倒れているのが発見された。男児はすでに死亡していたが、衣服はボロボロの状態で、警察では事故現場から他のクルマに引きずられるなどして現場まで運ばれたと判断した。

当初、警察では「乗車していたのは3人」としていたが、意識を回復した女性が「夫も乗っていた」と証言。事故現場周辺の捜索を続けたところ、約6時間後に現場付近の約20m下を流れる水路でうつぶせに倒れている39歳の男性を発見した。男性はすぐに病院に搬送されたが、後に死亡が確認されている。

現場は東関東道上り線の大栄IC−成田ICの中間付近。事故の直前から豪雨となっており、路面は非常に滑りやすい状態だったとみられる。事故を起こしたクルマは最初に中央分離帯に突っ込み、その反動で路側帯まで飛ばされたとみられる。

クルマはドアが開いたままとなっていたが、3人がどのタイミングで車外に放出されたのかは今のところ判明していない。

警察では11歳の男児の死因がはっきりしておらず、ひき逃げによって死亡した可能性も視野に入れて捜査を進めていくとしている。

《石田真一》

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