トヨタが若者向けブランドとして今後の展開を期待している「サイオン」だが、今年の夏には、これまでの『xA』、『xB』といった日本ですでに発売されているモデルのアメリカ向け焼き直しではなく、『tC』というサイオンのために独自に開発されたデザインのクルマが発売される。
これを受け、サイオンのジム・ファーレイ代表は、「今後も毎年あるいは1年置きに意義ある製品を送りだす、というリスクを今後はとっていかねばならない」
との覚悟を表明した。意味するところは、若者を狙ったブランドだけに、常にブランドイメージをフレッシュでエキサイティングなものに保つ必要がある。そのため、トヨタを「大人のクルマ」と敬遠する若者の目をひくためにも、コンテンポラリーなデザインを発表し続ける、ということ。
ファーレイ氏によると、比較的成功を納めたxA、xBという第一世代よりも、第二、第三の世代はさらに成功が困難で、しかもtCは初の全国での販売となる。各メーカーがエントリーモデルで価格を競う若者向け市場で、いかに注目を集めるかが重要な課題となる。
また、ハイブリッドもこれからの車を考える上でサイオンが取るべき道のひとつ。ファーレイ氏は日産『マーチ』を例に挙げ、日本でハイブリッドバージョンが発表されているマーチのようなクルマを、サイオンも今後開発する必要があるのでは、とコメントしている。ただし、サイオンがハイブリッドを導入するのは早くても2008年頃になりそうだ、という。
ともかく、今年がサイオンにとってアメリカ市場に食い込んでいけるかどうかの勝負の年になることは間違いない。