熊本市交通局は3月31日、同局が運行する路線バスが渋滞を回避する目的で対向車線を約100m走行するという不祥事が起きていたことを明らかにした。バスの運転手は「対向車がいないから問題はないと思った」と説明しているという。
これは熊本市交通局が明らかにしたもの。同局の説明によれば、路線バスが対向車線側へ逸脱し、これを100mに渡って逆走するという不祥事が起きたのは3月25日だという。
同日の午後5時30分ごろ、熊本市大江6丁目付近の市道で、熊本市中心部にある交通センターに向かって走行していた隈本氏交通局の路線バスが対向車線側に逸脱。前方の右折車線に合流するため、約100mに渡って対向車線を逆走した。
バスはセンターラインを完全に越えた状態で走行しており、これを目撃した複数の通行人が「乗客が乗った市バスがセンターラインをオーバーして対向車線を堂々と走行していた。運転手は何を考えているんだ」と通報。事態が発覚した。
これを受け、同局では当該のバスを運転していた38歳の運転手から事情を聞いたところ、この運転手は「当時、渋滞ですでに15分あまりの遅れが生じていたこともあり、直進車線の渋滞によってなかなか右折車線に到達できないことから、仕方なく対向車線を走った」と、逆走の事実を大筋で認めた。
さらに運転手は「対向車線には当時通行しているクルマもなく、安全だったと考えられるから逸脱した」と説明していたという。
また、このバスには当時30人あまりの乗客が乗っており、座席はほぼ埋まっている状態だったが、運転手は「乗客から危険だというクレームは無かったと記憶している」と回答したようだ。
現場の道路は対向車線側へのはみ出し通行が禁止されており、立派な交通違反となる。同局では「公共交通機関としてあってはならない事態。運転手への指導を徹底するとともに、市民の皆様方には深く陳謝したい」とコメントしている。
同局ではこの運転手に対し、何らかの懲戒処分を実施する方針だ。