高知県警は3日、バイクによる当て逃げ事故を起こしたまま現場から逃走していたとして、高知南署・地域課に所属する58歳の警部補を道路交通法違反(事故不申告)容疑で逮捕した。
逮捕当時に酒気帯び相当量のアルコールを検知しており、事故が飲酒運転を原因として起きた可能性も高いとして、この警部補を厳しく追及している。
高知県警・高知署の調べによると、事故は3日午前に発生している。同日の午前11時45分ごろ、高知市長尾山町付近の県道交差点で、51歳の女性が運転する乗用車が小型バイクと出会い頭に衝突した。バイクは乗用車の左前面に突っ込んで転倒した。
事故後、バイクを運転していた男はそのまま現場から逃走。女性がナンバーを覚えていたため、警察に対して「事故を起こしたバイクがそのまま逃げた」と通報した。高知署は通報を元にバイクの所有者を調べ、所有者は高知南署に勤務する58歳の警部補であることが判明した。
高知署員がこの警部補の自宅を訪問した際、男は酒を飲んでおり、呼気からは酒気帯び相当量にあたるアルコールを検知している。現場から逃走したことについては大筋で認めていることから、高知署はこの警部補を道交法違反(事故不申告)容疑で逮捕している。
男は取り調べに対して「バイクが大きく破損してないし、飛び出してきた向こうが悪いと思ったのでそのまま現場を離れた」と供述。事故発生を隠蔽する目的で逃げたという意思が無いことを強調した。
また、飲酒については「風邪で体調が悪く、眠ることが出来ないので酒を飲んだ。事故に遭った際には酒を買いに行く途中であり、断じて飲んでいない」と主張している。
この日、男は「風邪をひいて体調が悪い」といって欠勤していることは高知南署も確認していることから、警察では事故当時の状況について双方からさらに事情を聞くとともに、酒を購入したコンビニエンスストアの防犯カメラ記録なども精査し、本当に飲酒運転では無かったのかどうかについても調べを進める方針だ。