三菱自動車のリコール隠し事件で、三菱車の販売が落ち込み、115億円の損害を与えたとして、同社の株主が事件当時社長だった河添克彦氏ら、元役員11人を相手に総額11億7700万円を同社に返還するよう求めた株主代表訴訟で、東京地裁で元役員らが1億8000万円の支払い義務を認めた上で同社がこの資金を法令順守の強化に活用することで和解が成立した。
元役員らを訴えたのは、株主オンブズマンの会員で、愛知県に住む四谷勲さん。一連のリコール隠し事件で、同社の販売は急落、無料点検の実施でも売上げが大幅に減少したとして、補てんを求めた。
和解では、元役員らは和解金のうち、すでに補てんした2000万円を除く1億6000万円を来年1月までに支払い、同社はこれを「コンプライアンス基金」とし、外部の専門家への通報制度の創設などに充当する。