横浜市交通局は12日、子育て支援の一環として2004年1月1日からベビーカーに乳幼児を乗せたまま市営バスに乗車できるよう、車両側の改造を行い、乗車ルールの改定も実施することを明らかにした。
通常、路線バスではベビーカーを折り畳んだ状態で乗車することが前提だが、「子供をベビーカーに乗せたまま乗車できるようにしてほしい」という要望が相次いでいたことから実現することになった。
これは横浜市交通局が12日に発表したもの。路線バスなどにベビーカーを持ち込む際には他の乗客の迷惑にならないよう、折り畳んで乗車することが徹底されている。
これはベビーカー自体がバスに乗せることを想定しておらず安全性が確保されていないことや、車内スペースの問題などがあるためで、全国のバス事業者がほぼ同一のルールを設定している。
しかし、ベビーカーを伴って乗車する乗客からは「車いす用のスペースに開いたまま置かせてほしい」という要望が相次いでいた。
横浜市交通局ではこれまでに検討を重ねてきたが、乗客の少ない時間帯に限り、ノンステップ方式のバスなどに設置されている車いす用スペースにベビーカーを固定することを認めることにした。
車いすスペースが設置されていないバスについては、座席横にベルクロなどの固定部品を新たに設置。進行方向側に母親などが立ち、ベビーカーが前に転がることを防いでいれば同様にして利用できる。
ただし、混雑時にはこれまで通り、折り畳んで乗車する必要がある。また、複数の乗車には限度があるため、その場合には同様に折り畳むことを運転手が指示するという。また、車いす利用者が乗車してきた場合には、車いす利用者を優先するなどの基本ルールも合わせて制定される。
横浜市では市内を運行する他の事業者にも同様の対応を求めていく方針だが、追随するかどうかは現時点では未知数。