ヤマハ発動機のブースはガラス張りだが、ブラックの光遮ガラスなので、中が殆ど見えないオフィス建築のようなデザインである。黒い箱にYAMAHAの文字が輝く。他の2輪車ブースは開放的なのに、ヤマハのみ閉鎖的。入り口は2箇所しかない。
会場の宮本義信氏によると「前回も閉鎖的にはしていました。これは、当社のブランドイメージを上げる為の試みなんです。今、海外の2輪ブランドはそれぞれのヘリテージを掲げて日本に攻勢をかけてきています。もちろん海外でも」
「そして、これは音響を考えてのブースパッケージなんですよ。前回は同時多発テロの影響がありまして音量規制があったので、結果的に意味がなくなってしまったのですが、今回は本腰を入れています。」と説明する。
現在、日本の2輪メーカーの性能は実際のところどれも差がなくなっており、より強いアイデンティティを各社探しているようだ。ヤマハは楽器やオーディオ部門と共存していることから、音響や高級感などにこだわったのである。このようなコンセプチュアルなアピールをする時はクローズドにしたほうが良いと判断したから、モノリスのような外観デザインなのだ。
宮本氏は「ブランドイメージを最優先させるために、出展車両数も少なくして音の出し方、見せ方中心に考えたんです。それに今回のヤマハブースではおさわりコーナーがないんです。触りたい方は来春のモーターサイクルショーで触らせてあげますよ…」と割り切る。