米フォードモーターのニック・シェイラ社長は21日、都内で開かれた「2003東京国際自動車会議」で通貨問題に触れ、「(通貨当局が)人為的に安く抑えているところもあり、競争上問題だ」と述べた。ただ、シェイラ社長は「これは中国元のことではなく、ポンドとユーロのこと」と、補足した。
シェイラ社長は、ワールドワイドな投資を行っているフォードにとっては「為替の安定が重要」としたうえで、欧州通貨はまだ安く誘導されているとの認識を示した。英国政府には以前から「ユーロ圏への参加を要請している」と述べた。
米国の自動車業界は、日本の通貨当局による市場介入に批判的で、円は安く誘導されているとの主張もある。ただ、アジアでの国際会議であるため、シェイラ社長は元や円に配慮した発言となったようだ。