警視庁は2日、東京都八王子市内で職務質問を行おうとした警察官をクルマではね、重体を追わせたとして29歳の男を殺人未遂と公務執行妨害容疑で逮捕した。また、この男の身代わりに出頭していた25歳の男を覚せい剤取締法違反(覚せい剤使用)の疑いで逮捕している。
警視庁・捜査一課、同・八王子署、同・第9方面自動車警ら隊(自ら隊)によると、この事件は9月28日の午前11時30分ごろに発生している。
八王子署などが八王子市横川町付近で交通取締りを実施していたところ、ブレーキランプが点灯しない状態で走っている不審なクルマを発見した。パトカーで追跡を開始した自ら隊所属の警察官2人は八王子市中野町の市道で追いつき、職務質問を実施しようとした。
運転席に座っていた男が窓を開けようとしないため、36歳の巡査長がクルマのボンネットに半身を乗り上げる形でフロントガラスを破壊しようとしたところクルマは急発進。巡査長をボンネットに乗せたままで数十メートル走行し、途中で急ブレーキを使うなどして振り落とし、この巡査長に肋骨を折るなどの重傷を負わせた。
事件後、八王子署に25歳の男が出頭してきたが、供述の内容がかみ合わず、挙動も不審だったために尿検査を実施したところ、覚せい剤使用が判明した。警察でこの男をさらに追及したところ、借金を申し込んでいた男から「自分の身代わりに出頭しろ」と要求されたことがわかり、警察では身代わりを依頼していた男を逮捕した。
男は警官を負傷させた容疑を認めており、窓を開けなかった理由としては「無免許の発覚を恐れた」と供述しているようだ。