あの名車の復活だ。発売当時「世界でもっとも美しいクーペ」と言われた『6シリーズ』クーペが1989年に生産を終了して以来、途絶えていたネーミングを再び冠したラグジュアリークーペだ。
1999年のフランクフルトショーで公開されたコンセプトモデル『Z9』がスタイリングのベースで、より洗練されてスマートな印象になった。しかし前後ランプのディティールや『7シリーズ』に似たトランクデッキの盛り上がりは引き継がれていて、単なる思いつきの造形ではなく確固たる意思のもとでデザインされたことがうかがえる。
BMWでは「間違いのないスタイルの内側にダイナミックなパフォーマンスと精密さがある」と表現している。確かに見た目は紛れもなくBMWであり、あるデザイナーは「個人的には好きではないデザインだが、これがいまのBMWだからね」と語った。メーカーが自身のブランドに自信と誇りを持っているからこそ商品化できるデザインだといえよう。
装備も最近のBMWが推し進めるハイテク化に即したもの。シャシーやサスペンションばかりでなくドアとトランクリッドにもアルミが用いられ、4.4?V8エンジンにはバルブトロニックを装備。ステップトロニック、DDCやiDriveも装備されている。
6シリーズクーペはヨーロッパでは今年の末に発売され、2+2のコンバーチブルも遅れて追加されることが発表されている。