今回の制度改革で、交通ジャーナリストなどが問題視するのは、警察と民間業者の癒着だ。提言ではズバリ「民間委託が警察の天下り対策であるとの誤解を生じないように、委託先の選定にあたっては入札を行うなど透明性の確保に配慮すべき」とした。
ただ、一方で提言は「事務の受託者は、事務を確実に処理することのできる財政的、経営的基盤や信頼性を有する組織であることが必要」、「事務の委託後も公平公正な取り締まりが行われるよう、警察が所要の監督を行うこととする制度を整備する必要がある」などとも謳っている。
実際問題として、入札制度などを整備しても、談合や裁量行政がなくならないのは建設業界の事例でも明らかだ。事務の委託条件に「警察OBがいないこと」を明記すれば良さそうなものだが、わざわざこんな回りくどい表現を使っているのを見ると、やはり警察は退職者の受け入れ先として委託企業を“有望視”しているのか、と勘ぐりたくなる。
このあたりは、改正道路交通法案や、法案成立後に作られる施行規則、通達などで決まっていくことになる。いずれにしても、警察の焼け太り疑惑は、正真正銘の「誤解」であってほしいものだ。