気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2003年8月28日付
●環境税「家庭負担月」460円」税制専門委最終報告書、導入試算を例示(読売・2面)
●「顔」「マツダ」7年ぶりの日本人社長・井巻久一さん「立派な社長になってみせます」(読売・2面)
●ホンダ車5000万台、40年で達成、北米生産バネ(毎日・8面)
●富士重工、自動離着陸飛行に成功(毎日・8面)
●都市対抗野球、川崎市(三菱ふそう)太田市(富士重工)などきょう一回戦(毎日・17面)
●燃料電池いよいよ本格利用へ、都バス2路線で運行、きょうから(東京・1面)
●タイでトラック販売に自信、井田義則・いすゞ社長(東京・6面)
●トヨタ、万博と自動車の特別展、来月5日から(東京・7面)
●日産、ロシアに販社、来月設立(日経・11面)
●富士重工、レーダー・カメラで運転支援 雪道でもスリップ防ぐ(日経・11面)
●東海理化と村上開明堂、車ミラーで提携、海外製版など(日経・13面)
●イオングループ、自動車リースに参入(日経・15面)
ひとくちコメント
マツダが井巻久一副社長が社長兼CEO(最高経営責任者)に昇格する社長交代を発表した。筆頭株主のフォード出身のルイス・ブース社長が欧州フォード社長に就任するのに伴う“穴埋め”人事である。
27日午前には、広島本社で発表したこともあって、各紙ともきのうの夕刊に間に合ったが、きょうの紙面は、夕刻都内のホテルで行われた記者会見を中心に人物紹介のコラムなどを掲載している。
その見出しをみると新社長の人柄が読み取れる。各紙ともメインに「7年ぶりの日本人社長誕生」としているのは同じだが、朝日はサブに「外国人とか、日本人とかで区別する考えはない。人と人だと思っています」と井巻氏のセリフを引用、東京は「経営は一人にあらず」とし、産経は「企業は人、信条、信望厚く」。また、日経は「緊急登板、再建に自信」としている。
極め付きは読売の「立派な社長 なってみせます」。筆者も多くの社長交代会見に出席しているが、「社長になるのは光栄。誇りに感じている」という新社長の第一声は初めて聞いた。
銀行や外資の支配下で、マツダの生え抜き社員は有能でも語学が不得手だったり、寡黙な社員はリストラの対象となってきた。井巻氏はその外圧と闘いながら、社内の出世レースに勝ち残ってきたわけだが、真の力量が問われるのはこれからである。