暴走族バイク激突、対立グループが誘発

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京都府警は25日、前方を走るバイクを乗用車で執拗に追いまわし、街路樹に衝突させる事故を誘発して運転者と同乗者を死亡させたとして、19歳の少年2人を傷害致死容疑で逮捕したことを明らかにした。

京都府警・交通指導課、同・桂署の調べによると、今回逮捕されたのは京都市山科区に住む暴走族メンバーを自称する19歳の少年2人。

警察の調べによると、この2人は今月11日の未明、京都市西京区の国道9号線を走っている際、前方を走る別の暴走族メンバーらしき少年が乗ったバイクを発見。このバイクを猛スピードで追い掛け回したり、故意に幅寄せをするなど恐怖感を与え、運転ミスを誘発した疑いが持たれている。

追いかけられていた側のバイクには17歳と18歳の少年2人が乗っていたが、西京区大枝塚原町付近の国道9号線で運転を誤って道路脇の街路樹に激突して死亡している。

当初この事故は「バイクの運転ミスによって生じた単独事故」として処理されてきたが、その後の調べで「事故を起こす直前、別の乗用車に追いかけられていた。何度か追突されていたようだ」、「乗用車を運転していた少年が大声で笑いながらバイクを追いかけていた。あれは事故を起こすと思った」、「バイクを狙って幅寄せしていた。あれは故意にやっていたとしか思えない」などの目撃情報が寄せられていることがわかった。

クルマの形状やナンバーの一部を覚えている人もいて、これら情報から警察では「暴走族同士による抗争で、いわゆる“族狩り”行為だったのではないか」と断定。目撃されたクルマのナンバーから山科区内を拠点に活動する暴走族のメンバーを割り出し、傷害致死容疑で逮捕したという。

いわゆる傷害行為は加えていないが、クルマで相手を追うかけまわし、事故を誘発させた行為自体が傷害に当たるとしている。

逮捕した少年2人のうち、同乗していた1人は「面白半分に煽っていた。事故を起すとは思っていなかった」と供述しているが、クルマを運転していた少年は「ほんの少し追いかけただけ。煽っていない」と供述。容疑を全面的に否認しているという。

警察では2人を厳しく追及し、事件に至る経緯の全容解明を急ぐとともに、運転していた少年については道路交通法違反(無免許運転)でも検挙する方針だという。

《石田真一》

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