7日、VWジャパンより新型SUV『トゥアレグ』が発表された。本国ドイツでは5.0リットルV10のディーゼルターボエンジンモデルも用意されているのだが、今回、日本市場への投入は見送られた。その背景について、商品企画課の山崎信雄さんに詳しく伺った。
本国仕様のディーゼルエンジンモデルは最高出力313馬力、トルクはなんと最高76.5kgmを発生する。一般に、最近の欧州市場では、技術が進歩し、厳しい排ガス規制基準もクリアしていることもあり、ディーゼルに対する人気が高い。トゥアレグもディーゼルモデルの販売が6割近くに達すると言う。
いっぽう今回日本に導入されたモデルは、V6及びV8のガソリンモデルのみ。なぜ、このような魅力的なクルマが日本に導入されないのか、その理由は、欧州と日本との排ガス規制基準の違いに問題があると山崎さんはいう。
欧州基準は、CO2を削減するよう作られているのに対し、日本基準は、窒素酸化物を削減するように作られている。エンジンを作る際、この2つの性能は二律背反の関係にあるため、同じエンジンだと日本基準をクリアできなくなってしまうという。
また、日本と欧州では燃料の軽油そのものの質にも違いがある。日本の軽油は、欧州に比べて有害な硫黄成分が多く含まれており、欧州仕様ディーゼルエンジンに適した成分にするためには、今後脱硫装置に巨額な開発費を投じなければならない。
更に、日本市場には、ディーゼルに対する“わるい”イメージがあり、今回の投入は見送られたようだ。