「DVDビデオの再生とナビ機能を両立したモデルを安価で売れば必ずヒットする」という考えから開発が始まったパナソニック『ストラーダCN-DV150/CN-DV250』だが、一番の特長である“DVDビデオの再生とナビ機能の両立”に貢献したのが、家庭用DVD機器同様にパナソニックが全力で普及を目指すSDカードを採用したことだろう。
「普段はDVDメディアに収録した地図データを使いますが、DVDドライブをビデオ再生用として明け渡す場合には地図データをSDカードにコピーし、そこから読み出すことが可能です」とパナソニック・オートモーティブシステムズ(PAS)の福島好雄・ビジネスユニット長は説明する。
CN-DV150/CN-DV250で使用される地図データ用ディスクのデータ容量は9.4GBで、これをまるごとSDカードにコピーするというのはもちろん不可能だ。このため、全国を9ブロックに分割し、そのうち任意の1ブロックのみを本体付属の128MB容量のSDカードにコピーすることになる。コピー時間は3〜5分を要すとされており、表示される地図は2D表示のスタンダードマップとなる。
同様の機能はCN-DV150/CN-DV250の仮想敵であるパイオニア・カロッツェリアの『楽ナビ』にも装備されている。しかし、福島ビジネスユニット長は「楽ナビは50mスケールが最大ですが、うちの製品では100mスケールの地図を内部的に拡大することで10mスケールまで表示させられます。しかもSDメモリーカードを採用しており、内部メモリーにその都度コピーするよりも機能拡張性が高い」と語る。
CN-DV150/CN-DV250のSDカードリーダーは256MB容量のものまで動作確認をしているが、1枚のカードには1ブロックしかコピーすることができないので大容量メディアを使うメリットは現時点ではない。だが、SDカードの場合はデータの消去を行うまではデータがそのまま保持されている。
また、経路誘導として使うことを考えず、「現在地を知りたい」という用途でナビを使う場合、あらかじめ複数のカードに異なる地域のデータをコピーしておき、カードを入れ替えて使うということもできる。
今回の機種ではSDカードを地図データ収録用として使うのみだが、将来的には別の用途(例えばデジカメで撮った写真のビューアーとして)にも使えるのではないかという期待もある。