太宰府市役所(福岡県)は14日、今月下旬から導入を予定している「歴史と文化の環境税」(いわゆる有料駐車場税)の施行に合わせ、現在は繁忙期に無料で開放している市役所の駐車スペースを有料化する方針を固めた。有料駐車場のみを課税対象としており、無料のままでは課税対象となる周辺の有料駐車場との間に格差が生じるためとしている。
これは今月23日の導入を機に大宰府市が検討を開始したもの。太宰府市役所の駐車場は太宰府天満宮への参拝がピークとなる毎年1〜3月までの期間、市役所が閉庁している土曜と日曜、祝日にも一般開放している。これは周辺の駐車場が参拝客で混雑するための便宜措置だが、今回の新税導入によって新たな問題が浮上した。
新税では課税対象を「大宰府天満宮周辺の有料駐車場」と定めている。現在、市役所の駐車場は無料で開放しているが、税金の支払いを嫌う利用者がこちらを選ぶ可能性がある。また、税の公平性という面からも「周辺の民間駐車場を課税対象として、市役所の駐車場は無料で開放するので課税しませんでは許されない」との批判が市議会議員などから噴出。こうしたことを理由に、来年1月の繁忙期到来までに有料化する必要に迫られた。
ただし、利用金額については「税を徴収することができるための有料駐車場化が目的であり、駐車場経営で利益を上げることが目的ではない」としており、利用料金自体は周辺の民間駐車場よりも安くする方向で検討を進めていくようだ。