『XC90』は2.5リットルのライトプレッシャーターボ・エンジンを搭載した最廉価モデルで555万円となる。同じエンジンを搭載した中間グレードとなる615万円の「2.5T」と比較した場合、キセノン(HID)方式のヘッドライトや、本革シート、クルーズコントロール、助手席パワーシートなどの一部豪華装備が削られているものの、機能的には最廉価モデルで必要充分といえる。
ボルボ・カーズ・ジャパンの桜庭徹マーケット企画部長が言うところによれば、この『XC90』は高級SUVとしてかなり思い切った価格設定にしたという。“仮想敵”として定めているのはメルセデスベンツ『Mクラス』やBMW『X5』で、「555万円という価格もライバルと同一線上で戦えることを第一に考えた。装備内容から考えても安いと思う」と説明する。
しかし、このクルマが北米市場で争っているのはこの2車だけではない。このジャンルを開拓したレクサス『RX330』(トヨタ『ハリアー』)であり、続いて参入したアキュラ(ホンダ)『MDX』だ。XC90とRX330、MDXの廉価バージョンの北米価格は3車とも410万円台で真っ向勝負といった様相。最高級グレードだとRX330が約425万円、XC90が約466万円、MDXは約490万円となる。この段階でメルセデスとBMWの廉価バージョンと肩を並べることになる。Mクラスは約431万円、X5は約461万円だ。
日本価格は仮想敵とするMクラスで550万円、X5で599万円なので、XC90の555万円という価格設定はたしかに戦略的な設定といえる。