EUでは、すでに94年から車両総重量12トン以上のトラックにスピードリミッターを義務付けている。規制速度は国によって異なり、ドイツとフランスは90km/h(制限速度80km/h)、イギリス100km/h(同100km/h)、ベルギー80km/h(80km/h)など。
導入の結果、例えばベルギーでは高速道路上で大型トラックが関わった事故の死亡率が8.4%から5.2%に減った。この結果、EUではリミッター効果が高いとして、義務づけの対象を車両総重量3.5トンクラスの小型トラックまで広げることを検討している。
また、リミッター装着車が他車に与える影響についても、日本のような事故・渋滞一辺倒ではなく「リミッター装着車の普及により、他の車両のスピードを抑える効果もある」と前向きに評価している。また、リミッター装着車の追い越しによる渋滞発生については「リミッターが普及すれば追い越しそのものが必要なくなる」と、大きな問題にはならないとし「事故防止のほか、燃費向上やメンテナンスコストの削減、事故低減による保険料の低減などメリットは大きい。配送時間の増加などマイナスの影響は無視できる程度」(2001年6月、欧州委員会レポート)と結論づけた。
ちなみにアメリカでは、州によって制限速度が異なる(88km/h−121km/h)として、リミッター装着は義務付けられていない。