通信カーナビとしてのトヨタ『G-BOOK』、ホンダ『インターナビ・プレミアムクラブ』はついに具現化した。しかし、ナビの進化はこれで留まることなく、今後も続いていく。さらに高度な運転環境を実現するITS技術は今も研究が進む。
気になるのはマイクロソフトがどこまでクルマにかかわろうとしているのか、ということだ。クルマに通信を持ち込んだその次には「走る・止まる・曲がる」といったクルマを直接制御する部分に踏み込む可能性はあるのか。
「私どもはあくまでも情報通信の世界が専門分野であり、クルマの制御ができるエキスパートではない。だから全く考えてもいないし、それは将来的にも変わらないでしょう」と平野部長は語る。
前職が自動車のエンジンコントロールに関わる開発担当だったという清水氏は「クルマの制御も、ナビの制御も“CPUで動く”という共通点はあるが、それは野球とラグビーが“ボールを使う”ところが共通しているよね、と言っているのと変わらないです。僕はインジェクターの制御を担当していましたが、1分間にどのぐらい燃料を噴射して、空気はどのぐらい入れて…というものと、携帯端末で情報をダウンロードして…というものが同じレベルには結びつかない」と言う。
いまでも一部の純正ナビで実現しているような、地図に入った坂道のデータを基にシフトをコントロールする“登坂制御”程度はあるだろうと平野部長も言うが、それはナビをコントロールするものとは別のCPUが行なうことであり、直接制御ではない。「そもそも機器に対する信頼性が全く違うため、ノウハウが無いマイクロソフトがその分野に挑むことは考えられないし、誰もが望まないだろう」というのは、平野部長、清水さんとも変わらぬ主張だった。
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