広島県警は7日、高級車による物損事故を偽装し、修理代などの名目で数千万円を保険会社から騙し取っていたとして、広島市安芸区の自動車修理業を営む48歳の男と、顧客13人を詐欺容疑で6日までに相次いで逮捕していたことを明らかにした。余罪は判明しているだけで数十件に達するとみられている。
県警の調べによると、この男は物損事故に関しては保険会社の審査が比較的緩いことに目をつけ、自損事故を起こしてクルマを持ち込んだ顧客などに対し、工場内で故意に接触事故を起こさせてキズを作るなどして別の物損事故を偽装。保険会社に対して「自爆事故を起こした」などとして過剰な修理代金を請求していた疑いが持たれている。
中には4人程度で共謀し、ベンツやトヨタ『セルシオ』など高級車同士の多重衝突を演出。事故の発端となったドライバーに対して修理代の請求を強く求めるなどの芝居を繰り返していた。また、修理業者自身も高額の見積もりを発行。額の低減を求める保険会社の担当者と被害者役の間に入り、「私が説得しますから…」などと言って話をまとめ、保険会社からの信頼を得ていた。
しかし、別の担当者が高額の修理代金を要求する業者をリストアップしていたところ、この男の会社からの請求が相次いでいることを不審に思って調査を開始。その結果として不正が発覚したという。