気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2002年夏、お盆休みスペシャル
真夏の日本列島を襲った猛暑は、お盆休み後半に入るとピークを超えたが、東ヨーロッパでは「百年に一度」の大洪水。古都プラハの街並みが濁流にのまれてしまうという被害が続出した。
そんな今年のお盆休みだったが、夏休み期間中(8月10日−18日)、連日のようにマスコミ各紙を賑わせていたのが、日本ハムグループによる牛肉偽装疑惑報道。例えば、朝日をみると、「焼却分すべて偽装肉」(10日)、「子会社に営業自粛指導」(15日)、「日ハム会長辞任へ」(18日)と3回も朝刊の1面トップを飾った。思えば、三菱自動車のリコール隠ぺい事件が発覚し、「世間を騒がせた」と当時の経営陣が謝罪会見をしていたのが、ちょうど2年前の夏。不祥事の後遺症は、今でも癒されていない。
「お騒がせ」と言えば、東京のオフィス街が閑散としていた14日夕刻、異例の緊急記者会見を行ったのがいすゞ自動車。多額の有利子負債を圧縮するため、筆頭株主のGMと主力銀行による2000億円相当の支援を柱とする新たな再建計画を発表した。日経などが14日の夕刊で報じたため、夏休みを返上しての会見となった。筆者も9日の「新聞ウオッチ」で、「いすゞは要注意」と書いたばかりだったが、そんなにすぐに発表するとは思わなかった。トラック業界の再編には目が離せない。
そのいすゞの発表記事を除けば、自動車関連の話題は少なかった。驚いたのは、国連貿易開発会議の調査で企業の売上高をGDPとみなして国家と比較すると、「トヨタが59位でクウェート(60位)を上回った」ことである。13日の各紙夕刊が報じた。
このほか、「この夏、かつての名車、人気車の生産が相次いで終わる」と朝日が12日夕刊の1面トップで取り上げれば、日経は14日朝刊で「名車、排ガス規制に勝てず」と後追い掲載した。このネタは、すでに産経が7月末に「名車復活の陰で、かつての人気車種相次いで“リストラ”」と報じている。
また、東京が「環境省が低公害車に格付け制を検討」(12日夕刊・1面)や毎日が「燃料電池最前線」を13日から5回シリーズで掲載。来週26日からヨハネスブルグで始まる「環境開発サミット」は、豊田章一郎・トヨタ自動車名誉会長はじめ、宗国旨英・自工会会長らも参加する予定。低燃費・低公害車など地球環境の温暖化対策などに関する記事は夏休み中の紙面でもしばしば取り上げられていた。