新型『フェアレディZ』の動力性能を取りまとめたのは、第一車両開発部の水野和敏チーフ・ビークル・エンジニア。IMSAやGT選手権、ルマンなどのレース畑を歩んだのち、現行『スカイライン』の車両開発を担当し、今日に至っている。
スカイラインと同じくFMプラットフォームを使うフェアレディZも、「フラットライド・スポーツ」という言葉をキーワードに開発されている。「目線が動かないこと、つまり、しっかりとした姿勢で繊細なコントロールができること。また、4輪がしっかりと接地し、挙動が安定していることをあらわしており、これは市販車でもレーシングカーでも変わることのないコンセプト」である。
そして、「ドライバーに負担を強いることなく、ドライバーの意思に忠実なクルマであること、それがZであり、そのためのフラットライドです」というのが水野チーフの持論だ。
「『911』のように、いつリアが出るかハラハラしながら、『Mクーペ』のように、重い直6の捩じれをなだめながら運転する楽しみを否定はしませんが、それは20世紀のスポーツカーですよね」
「Zは、人間中心のリアルスポーツです。乗る人が主役なんです。クルマのほうがドライバーの感性に反応し、それを現実にする動力性能を持つ、21世紀のスポーツカーです」
身振り手振りを交えながら大声で話す水野チーフだが、その説明はわかりやすい。レースフィールドでのキャリアに基づく実践的な理論が、フェアレディZの開発に活かされていることが伝わってきた。
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