17日午前、東京都大田区内の首都高速湾岸線東行き、東海ジャンクション(JCT)近くで、渋滞の最後尾に止まってた普通トラックに後方から走ってきた大型トラックが追突した。衝突の弾みで普通トラックが前方に押し出され、合計5台が関係する多重事故となった。
警察の調べによると、事故が起きたのは17日の午前8時45分ごろで、湾岸線東行きの東海JCT付近で渋滞のために止まっていた3トントラックに、後方から走ってきた12トントラックが減速しないまま追突した。押し出された3トントラックは隣の車線に止まっていたトラックなど3台を巻き込んで停止した。この事故で3トントラックの59歳の運転手が両足大たい骨を折るなどして重体、他のトラックの運転手も頭を打つなどの軽傷を負った。
事故が起きた地点は見通しの良い直線道路だが、渋滞時の玉突き事故多発地帯として知られている。今回の事故が起きた地点は、直線区間なのだが、渋滞で止まっているクルマを後続ドライバーが認知できるのは実は数秒しかない。
事故現場の1kmほど手前には空港北トンネルがあり、トンネルを出てすぐに道は右にカーブする。羽田線からの合流車を避けるため、慣れたドライバーほど最右の車線を選ぶことになるが、まずはこのカーブで前方の様子がわからなくなってしまう。今回の事故が起きた時間帯では、太陽が進行方向にあることがそれに拍車を掛けた。
カーブを過ぎた後には京浜大橋があり、中央部が盛り上がった構造になっている。このため橋の中央部以降(前方)が見えにくく、ここでも前方の様子を知るチャンスを失ってしまう。
さらには橋の中央部に渋滞状況を知らせる巨大な電光表示板があり、これを見てしまうと、やはり前方の様子が見えなくなってしまうという構造上の欠点があるのだ。表示板から前方に視線を移したとき、渋滞の最後尾までわずか数秒ということもありうる。
今回の事故も正にこの欠点を具現化した形で発生している。そもそもこの地点で渋滞が頻発するのは、前述したように羽田線からの合流があること、そしてさらに1km前方に東京線への料金を徴収する大井料金所があるからだ。料金所がこの地点にあるために事故地点付近で慢性的な渋滞を作り出し、さらにはドライバーの特性を無視した道路設計のおかげで事故が多発している。
新たに浮上した問題は、東京で最も混雑するこの料金所が今年3月下旬、1車線をETC(自動料金収受システム)専用レーン化したため、事実上、従来よりも1レーン減少した形で運用されているということ。ETCレーンを回避するために右往左往するクルマで、ここの渋滞がさらに悪化したのは利用者の誰もが知ることだ。
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