警察庁の田中節夫警察庁長官は30日、定例記者会見でワールドカップの警備体制について「観戦チケットの不着問題等、予想すらしていなかったトラブルもあるが、会場警備体制の見直しを含め、万全の体制で臨みたい」と述べた。
ワールドカップのチケッティングを担当する英・バイロム社の不手際により、全世界的に観戦チケットが購入者の手元に渡っていない問題について、田中長官は「埼玉などでは観戦エリアごとに観客を誘導する計画を立てていたが、現状ではこの計画の一部が不着問題によって困難になった」と語った。
来日スケジュールの都合でチケット取得が間に合わなかった観客については、当日までにチケットを発券することになっているが、これについては「予想しない混乱が生じる可能性が高い。チケットがなければ会場に入れず、シャトルバスに乗れないことを複数言語で広報し、チケットを初めから持たない客がカウンターに押しかけたり、盗難などの被害が生じないよう、警備の配置も見直す」と語った。
チケット不着問題に関しては、一部の警察本部が日本組織委員会(JAWOC)に対し、「あまりにもずさんだ」と苦言を呈したという話も流れたが、これについては「我々は組織委員会とも連絡を密にして、大会の成功に寄与したいと願っている」とコメントするに留めている。