韓国は今や立派な自動車大国と化した。アメリカやヨーロッパの市場で「安いクルマ」と言えば、一昔前は日本車がその座をキープしていたが、今は違う。ヒュンダイやデーウなどの韓国車がその座を奪取。最近では品質も良くなり、人気はさらに高まった。
自動車大国ということを念頭におけば、自動車に関する商品も多いだろうと期待する人も多いだろうが、韓国では肩すかしを食らったような感覚になるかもしれない。自動車雑誌やスケールモデルなどもあるにはあるが、点数はそれほど多くないのが実情だ。
自動車雑誌は『カービジョン』や『モーターマガジン』など、現在5誌程度が発刊されている。同セグメントのクルマを3車種ほど用意した比較インプレッションなどは日本の雑誌と同様…というか、写真やページ構成を含めて「よく研究しているな」という印象。ページ数の1/3程度がアフターパーツの広告に取られていることには閉口するが、日本では考えられないような突飛な商品もあり、見ていて飽きない。大型書店であれば在庫はあるが、日本人にも行きやすいのはソウル中心部にある教保文庫(キョボムンゴ)だろう。地下鉄の光化門駅(カンファムン/5号線・533番)と直結していてわかりやすい。
韓国車のプラモデルやスケールモデルなどは入手困難と言った方がいいかもしれない。実は韓国車をモデルとしたものはほとんど生産されていないのだ。デーウ『マティス』のラジコンカーが2年前に発売されたが、記者が確認しているのはそれぐらいでしかない。1/43スケールのモデルなどは数年前まで中国製のものが存在していたが、今はあまり見かけなくなった。元は中国製ということもあり、日本車のモデルを無理やり「韓国車」とした商品を見かけることはあるが、完全再現したものは無いかもしれない。
確実におもちゃを入手したい場合には、ソウル中心部の東大門市場(トンデムンシジャン)の中にある問屋街を訪問してみよう。地下鉄1号線の東大門駅(128番)と、6号線の東廟前駅(トンミョアプ/636番)に挟まれた数百メートルの範囲に集中している。問屋街ではあるが、一般の人も商品を購入できる。クルマ以外のプラモデル(飛行機やミリタリー系)などは割と充実しているし、エアガンなどは一見の価値がある。