SUVを含む新車の排気ガス基準を引き上げるためのCAFE 改善法案が、上院で否決され事実上の廃案となった。法案に反対していたビッグ3を始めとする自動車メーカーにとっては大きな勝利だ。しかもSUV、ピックアップトラックはこの先もCAFE(メーカー単位での平均燃費)の対象外となる、という。
法案では、各自動車メーカーは乗用車、SUV共に現行の24マイル/ガロン=10.1km/リットルという平均値を、2015年までに36マイル/ガロン=15.1km/リットルに引き上げることが要求されていた。しかしSUV、ピックアップトラックは現行の20.7マイル/ガロン8.7=km/リットルにとどまることになる。
もし法案が可決されていれば、アメリカは原油の輸入を1日あたり100万バレル削減することができ、大気汚染も軽減する、とされていた。「石油会社の利権のための政権」と言われるブッシュ政権が法案に反対していたのは周知の事実だが、クリントン時代の環境政策は大きく後戻りすることになった。