【春闘2002】トヨタはせこいか賢いか。異例づくめだった今年の春闘

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春闘相場をリードする金属労協(IMF・JC)傘下の自動車、電機、鉄鋼、造船重機の4業種の経営側は13日、各労組の一斉に2002年度の賃上げを回答した。全産業のリード役であるトヨタ自動車が焦点となっているベースアップ(ベア)でゼロを回答したことから、異例づくめの春闘となった。

従来、自動車各社は一斉回答日前日に経営側が回答していたが、今年はベアを巡って経営側、労組側が一歩も譲らず、話がこじれた。けん引役となるトヨタはグループでの経常利益が1兆円を超える見通しで、儲けに儲けている。労組は組合に還元するべきとしてベア1000円を要求。同様に業績が好調な日産、ホンダなど各社がベアを要求した。

しかし、トヨタの経営陣は他産業がベアゼロにしているなかで、トヨタだけが突出するのは得策では無いと判断。デフレと国際競争力確保を理由にベアゼロを回答した。ホンダも同様でこの動きに追随した。雇用の安定維持を掲げ、経営側が強硬な態度を取ったため、結局組合が折れる形となった。

一線を画したのは日産。普通、リード役のトヨタがベアゼロで労使が合意した場合は、これに歩調を合わせるのだが、業績が落ち込んだ数年前に「過去ベアゼロにしたことこがある」ことや企業間格差を是正するため、ベア1000円の満額を回答した。

ベア1000円を受け入れた場合でも、年間の支出増はトヨタでも約10億円程度に留まる見込みだった。経営陣が先行きを過度に不安視して、サイフのヒモをギュッと締めたことから始まったことだが、折れてしまったトヨタ、ホンダの労組に対しては「情けない」との批判の声も聞かれる。やり方としては海外出張を理由に回答を引き延ばし、直前に満額回答を行った日産のゴーン社長が際立っており、さすがスタンドプレーの天才との声も。

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《レスポンス編集部》

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