気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2002年2月13日付
●カネボウ、フェラーリを着る F1チームのボディスーツなど再現(読売・11面)
●小型車続々香港へ切り込み、環境対策後押し、代替え需要に期待(産経・8面)
●1月中古車販売、2カ月ぶり増(産経・8面)
●日野自動車・横浜工場跡地の売却中止(産経・9面)
●トレーラータイヤ脱落、死亡事故と別原因でも、国交省調べ(毎日・29面)
●ゴーン社長 激励の手紙、福祉で自立、リストラ元日産マンへ(東京・6面)
●富士重工、「フォレスター」改良型を発売(東京・6面)
●米自動車市場、攻める日本「あらゆる車種で存在感」若者向けに戦略車(日経・13面)
ひとくちコメント
手紙は英文で「サワサキさん。高齢者介護の仕事で、あなたが素晴らしい第二の人生に踏み出されたことを東京新聞に載っていると、同僚から聞きました」との書き出しで始まり、「村山工場閉鎖後、私たちの元仲間たちが、いかにしていろいろな分野で新しいチャンスを切り開いているのか。話を聞いて、私はあなたを誇りに思っていると、お伝えしたかった」——。
日産のゴーン社長が村山工場閉鎖でリストラされた元日産マンに激励の手紙を送ったことをきょうの東京が報じている。記事によると、手紙をもらった元日産マンも「ゴーンさんの温かい気持ちが伝わる。手紙は家宝にする」と感激しているという。だが、失業率が急増するなか、そのような美談は極めて少ない。早期退職を余儀なくされた元日産マンも大半が路頭に迷うような暮らしを続けているからだ。
「去る者は追わず」のゴーン社長だけに、手紙のやり取りは「鬼の目にも涙……」という情けに弱い日本人のウケを狙っているようだが、超多忙とはいえ、新聞報道をヒントに慌てて手紙を書くというのも情けない。雇用の守れない経営者がリストラ社員をあの手この手で激励しても単なるパフォーマンスとしか思えないが……。