キャビンを長く見せるようにしたというスタイリングは、かなりシンプルな印象を受ける。三菱自動車デザイン本部プロダクトデザイン部チーフデザイナー、石井成久主管によると「研ぎ澄まされた道具が持つシンプルな美しさ」を表現したのだという。
ボディは、前後を絞った「タル型造形」で面に張りを持たせ、絞込みの分だけホイールアーチが大きく張り出している。ドアウインドウには三次曲面ガラスを採用することで「タル型造形」により一体感がでて、目指していた「大きな造形の中に足がしっかりとした安定感」を実現したとのこと。
しかしeKワゴンのデザインのすべてがシンプルというわけでもない。大きなヘッドライトカバーのグリル側下方にあるネジの頭のようなカタチをしたものは、ヘッドライトレンズ内に水滴がつくことを防止するための空気抜きの穴である。「必ずしも必要なものではない」が、このカタチは遊び心でデザインしたのだという。