3シリーズのマイナーチェンジに当たって用意されたのは、まず、燃費を向上させた新しい4気筒エンジン・シリーズだ。ディーゼル系はすべてEU3、ガソリン系はEU4の排ガス規制をクリアする。
320tdに搭載されるターボ・ディーゼルは、1600気圧という高圧の燃料噴射ポンプを使う第2世代のコモンレイル・システムを採用した。318d用の直噴ディーゼルとともに、3シリーズの販売ボリューム拡大をねらったグレードである。
ガソリン系では、ついにバルブトロニックというシステムを採用した2.0リットルが登場。これは、新たにラインナップした318Ciカブリオとともに、今回のマイナーチェンジの目玉だ。バルブトロニックは、小型・高精度のステップモーターを使ってカムシャフト/バルブ系を制御し、従来のバタフライ弁によるスロットル調整ではなくバルブのリフト量と開閉タイミングで代用した意欲的なシステム。BMWによれば、ポンピングロスが事実上ゼロになるというから、それが本当ならレスポンスと燃費の点で画期的なエンジンだ。
このほか、シーケンシャル・マニュアルギアボックスSMGの搭載モデル、M3、それと、M3をベースに極限のパワー/ウェイト・レシオを追求したM3CSLなど、マイナーチェンジとはいえ、3シリーズの見所は多い。