『Xタイプ』は、BMW『3シリーズ』やメルセデスベンツ『Cクラス』、アウディ『A4』などがひしめく、いわゆる「プレミアム・コンパクト」クラスにジャガーが初めて参入したクルマだ。そのターゲット・ユーザーは25歳〜30代後半、アクティブなライフスタイルと上昇志向を持ち、世帯年収1000万円、といった人たちを想定している。
「これまでの『XJ』シリーズに代表されるジャガーは、エレガント、上品、スポーティといったイメージを持っていただきながらも、同時に年齢的な意味や経済的な意味で、『今乗れる車ではない』と思われていたわけです。すなわち、これまでのジャガーが『夢』であったとすれば、Xタイプは、そういった方々に『現実的な目標』となってもらえれば、と思っています」と、ジャガージャパンのXタイプ・ブランドマネージャー、長木重憲さんは語る。
乗り換えが想定される車種としては、Cクラスや3シリーズからが約25%、トヨタ『マークII』、同『プログレ』など国産上級車種からが半分以上と想定されている。なぜ、国産車からの乗り換えが半数を超えると考えられるのか?
「このクラスの輸入車の販売実績を考えると、国産からの乗換えが半数を占めるのは当然のことなんです。それに、私どもはCクラスや3シリーズと食いつ食われつの関係になるのではなく、お互いにブランドイメージを確立して、共存してゆく関係になってゆくべきだと思っています」と長木さんは語る。
なお、日本でのXタイプの販売台数は、ジャガージャパン社長のデビッド・ブルーム氏によれば、「今年度は月販250台、来年以降はディーラー網の整備拡大によって、300〜500台にまで拡大したい」とのことだ。つまりXタイプは、ジャガーのエントリー・ユーザーの受け口であり、かつジャガー全体の販売台数拡大を実現するための切り札的存在なのである。