消防庁は25日、兵庫県明石市で発生した将棋倒し事故の後、パニックを起こした観客や渋滞、駐車車両などに行く手を阻まれ、救急車の到着が遅れたことを参考に、大規模イベントの際には事故を想定した救急車の進入路を確保することなどを各消防機関に通知した。
21日夜に発生した事故では、事前に作成された警備報告書に救急車の出動要請は入っておらず、何かあった場合にも事故現場から1.5km離れた消防署から出動させれば事足りると考えられていた。しかし、実際には普段は3分以内に急行できる距離に40分も要するなど、初動体制の不備が被害者を増やす一因にもなった。
そこで消防庁は、今後同様のイベントを予定している各自治体に対し、救急車を会場近くに待機させることや、非常事態発生時の進入路を確保することなど、事前に事故を想定した準備を徹底させる方針を決め、都道府県庁を通じて通達を行ったという。