代替燃料のストレージ技術を開発しているアメリカのカンタム・テクノロジー社は28日、約70MPa(約700気圧)という高圧で水素を貯蔵できる燃料電池自動車用水素タンクを開発し、公開した。これが実用化されると燃料電池車の市販実現が一歩近づくことになる。
水素は燃料電池のエネルギーに最も適しているが、扱いは非常に難しく、事故などでの破損防止などを考慮した場合、内容量に合わないほどタンクが巨大化する傾向があった。今回、同社が開発した技術では、水素の漏れを防ぐ一体構造のライナーを、カーボン製の複合材料層で覆い、耐衝撃性を確保した。また金属製部分には水素に暴露しても劣化しない特殊な合金を使用しているという。
従来のタンクは最高で35MPaだったが、それと比較した場合、実に80%増の蓄積量となる。