気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2001年3月29付
●三菱自動車特損1500億円上積み、販売減やリストラ対応(読売・8面)
●アイシン精機、熟練の技、若手に伝承「幻のトヨペット復元」(東京・9面)
●トヨタ、3年ぶりに新規採用計画を増加(東京・9面)
●第2回の商用車モーターショウの開催日程決まる、自工振発表(東京・9面)
●日産村山工場、きょう閉鎖、跡地利用地元と模索、座間は販売拠点化に成功(産経・6面)
●いすゞ、中国で大型バス生産(産経・7面)
●都知事とトラック協会など5団体、不正軽油撲滅へ環境改革図る(毎日・24面)
●新CS放送にトヨタが資本参加(朝日・1面)
●高速道IT化に商機、ノンストップ料金所あす本格稼働「車載器、年100万台」(日経・3面)
●岩国・フォード・ジャパン社長語る「着実にブランド戦略」を(日経・11面)
●日産車体、京都工場を別会社に(日経・13面)
ひとくちコメント
三菱自動車の今年度末の連結赤字がついに2700億円に膨れ上がると発表になったが、後ろ向きの記事と対照的なのがトヨタ自動車。3年ぶりに新規採用計画を増加されたり、テレビ朝日や日立製作所などが設立する新しい通信衛星(CS)放送会社「シーエス・ワンテン」にトヨタも出資参加することを決めた。
きょうの朝日と日経がこの記事を取り上げている。日経は検討中と控え目だが、朝日は一面の3段見出し。この会社の設立準備に朝日新聞社も参画しており、身内のネタだけに信憑性は極めて高い。新放送は、インターネットなどと連動して双方向サービスや受信機にデータなどを蓄積できる次世代の新しいデジタル放送。カーナビなどの車載端末を起点に情報サービスの拡大をめざすトヨタが新たなビジネスの可能性を探るために参入を決めたとみられる。
豊富な資金力を持つトヨタの資本参加は、日立など中核株主にとっても強い味方である。情報サービス事業は豊田章一郎名誉会長の御曹子である章男取締役のプロジェクト。父親は「住宅事業」に力を入れたが未だ志半ばの状態。その轍を踏ませないためにも全社一丸となってジュニアを支えるのは至上命令なのである。