GMがデーウの買収を考える理由には、ひとつにヒュンダイへの対抗がある。デーウの不調により韓国国内でヒュンダイは楽な競争を続けており、国内のもうけを北米事業に注ぎ込んでいるのだ。ヒュンダイは1999年から2000年にかけてアメリカ市場での販売が52%の伸びを記録した。
まず韓国市場でヒュンダイを抑えたいところだが、韓国市場は閉鎖的なので、参入には現地メーカーの買収が唯一の手段と考えられる。ただデーウの自動車事業は現地企業と合弁で1972年に設立されたGMコリアが前身で、それが78年にデーウ・グループとなり、92年までGMとデーウは提携していた。GMが自社系ディーラーでデーウ製品を販売したこともある。
いっぽう売却交渉がまとまらないことから、デーウは資金繰りに行き詰まっており、従業員に対し今後2カ月間、賃金が支払われない可能性も出てきている。